本坊酒造・津貫蒸溜所  新勢力4!!(`・ω・´)ゞ

 こんにちは。加藤です。

 先日のウイスキーフェスティバルで今後、鹿児島にできる新しいウィスキー蒸溜所のセミナーを受けてきましたので、そのセミナー内容をご紹介します。

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 今回新しくウィスキー蒸溜所を建設するのは、鹿児島で焼酎などを造っている「本坊酒造」という会社。
こちらの本坊酒造は、すでにウィスキーの蒸溜所を1ヵ所所有しています。それは信州マルス蒸溜所。
当店でも過去に何本もマルス蒸溜所のウィスキーを仕入れているのでご存じの方も多いと思います。

 本坊酒造のウィスキー製造の歴史を簡単にご説明しますと。

 1920年。日本人初となる本場スコットランドでのウイスキー造りを学んだニッカウイスキー創業者の竹鶴政孝氏が、帰国後に上司である岩井喜一郎氏に実習報告書「竹鶴ノート」を渡します。

 1960年。その「竹鶴ノート」をもとに、当時本坊酒造の顧問に就任していた岩井氏の指導により、山梨県で本格的にウイスキー造りが始まります。

 ですが、ウイスキー市場の低下などにより僅か9年で、やむを得ず山梨蒸溜所は閉鎖されてしまうのです。

 その後、日本にウイスキーブームがやってきます。
 ですが、この頃には閉鎖された山梨蒸溜所では、すでにワイン造りを行っていたため、本坊酒造は1981年~1984年までの3年間、鹿児島の地でウイスキー造りを再開しました。

 そして、1985年。閉鎖されていた山梨蒸溜所を、現在の長野県へと拠点を移し、「信州マルス蒸溜所」が開設されました。

 ですが、この信州マルス蒸溜所。またまた大変なことになります・・・!
 またもウイスキー需要低迷により、1992年に蒸溜を休止しなければいけなくなるのです。

 それから19年後の2011年。
 ようやく信州マルス蒸溜所の稼働が再開されました!!
 そして現在に至ります。

 ここまで蒸溜所の移転や停止、そして再開の繰り返される歴史をもつ蒸溜所も珍しいのではないでしょうか。

 そんな「本坊酒造」から今年、その創業の地となる鹿児島県南さつま市の“津貫”で32年ぶりに新しくウイスキーの蒸溜所が誕生するのです。

 今回は、現在信州でれ造られているウイスキーと、これから津貫で造られていくウイスキー、それぞれに対するこだわりの違いを比較して教えてもらいました。

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 今の信州マルス蒸溜所の開設当時は、指導者の岩井氏の目線での解釈から、スコッチの伝統的な製法を用いて造られ【柔らかい口当たりで、優しく女性的な】ウイスキーづくりをしてきたのに対し、新しくできる津貫蒸溜所は、まずそのコンセプトを自分たちで決めることから始まります。

 "日本最南端で、最西端、そして鹿児島で唯一の蒸溜所"のイメージを考えたとき【ヘビーな口当たりで、重厚感のある、そして男性的な】力強いウイスキーを造っていこうと決まります。

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 津貫・信州両蒸溜所のコンセプトは真逆のイメージですが、実際に使う原料や酵母、樽などは現在、信州蒸溜所で使われているものと基本的に同じものを使うそうです。

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 ですが、ここから色々と違う面がでてきます。

 まず、発酵槽。
 津貫ではステンレス製のもの使用していくそうですが、信州では現在、鉄製のタンクが使われています。この鉄製タンクというものは世界的にも珍しいらしく、洗浄も人が中に入って洗わないといけないらしいです。

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  これは写真を見てもなかなか大変そうですね(´・_・`)
 今後、信州の方でなんらかの新しいものを導入するとしたら、この発酵槽をステンレス製に変えたいとのこと。

 大きさや形など、角度ひとつで様々な味わいを造りだすポットスチルでも、こだわりが見えます。

 津貫では、1回目の蒸留に使われるものがオニオン型、再溜ではストレート型のものを採用しているみたいです。

 初溜で使用されるオニオン型のポットスチルでは、そのずんぐりとした形から、重くシッカリとしたフレーバーの原酒が出来上がります。

 そして、再溜で使用されるストレート型はその名のとおり、胴体部分が真っすぐなので、ポットスチル内で液体が滞ることなく蒸溜されることによって、コクのある力強い原酒が出来上がります。

 さらに再溜釜のサイズダウンによって、”津貫らしい深い味”がでるのではないか…!と、検討して建設されています。

 現在信州では、再蒸溜釜を中2日で動かしているのに比べ、津貫では釜のサイズを小さくして毎日動かしていくそうなので、今後の蒸溜所見学ではどちらも稼働しているのが見ることができるようになるみたいですよ。

 いずれも今までのデータなどを元に構想しているそうなので、造り始めて初めて結果がわかるという楽しみもあるのだとか。

 そうして造られたウイスキーを熟成させる過程も様々なタイプで試されています。
 津貫で原酒作りを始める前に、信州で蒸溜した原酒を、津貫と屋久島の熟成庫に持っていったそうです。
 これは同じ原酒を違う環境の2か所で熟成させると、どういうふうに変わるのかという実験です。

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【津貫蒸溜所の特徴】
 ●気温差がある→樽材が縮小したり膨張したりする(樽が呼吸する)。
→外気を取り込むことによって、熟成させる環境の風味が付いてくる。
→お酒と樽材が馴染んでくる。

 ●気温が高い
→熟成スピードが速い。

 ●湿度の高い(年間の降水量が高い)
→貯蔵を続けるにあたって水分の蒸散が進みにくい。
→熟樽中に樽から蒸発していくウイスキーの量が少ないのではないのか!?

 特に最後の湿度のところにポイントを置いているようで、ここが熟成にはなんらかの大きな影響を与えてくれるのではないかと、期待されています。

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 鹿児島の中でも自然豊かで、冬でもマイナスの気温になるということから、比較的寒暖差のある津貫を選んだのだとか。

 その樽の置き方にも工夫がされていました。
それぞれの置き方にも、メリット・デメリットがあるそうです。

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 (左) 信州
→ラック式(鉄製の棚に樽を並べる方法)
▶いろんなサイズのものが置けるので、様々な原酒が造れます。

 (中) 津貫→ラック式
▶信州と同じでいろんなサイズの物が置けますが、津貫は普通の住宅ぐらいの石蔵なので、あまり高くは積めないのが難点…。

 (右) 屋久島
→ダンネージ式(床や樽の間に直接木のレールを敷く方法)
▶同じサイズの樽を並べる必要があるので、1つだけ実験でこの場所に置くという事が出来ないですが、スペースを効率よく使えます。

 こうして誕生していく原酒が、今後どのように使われていくか楽しみですね。

 日本の四季という特徴を活かしたタイプの違う2つの蒸溜所で生まれる原酒を造ることで、商品としての幅をもたせ、安定したものを造っていきたい!というのが本坊酒造の目標だそうです。

 今年の11月から稼働し、2020年東京オリンピックのころには「シングルモルト津貫」を飲めると思うので、今から心待ちにしておきましょう☆


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